こんにちは、たなけん院長です。

今日は少しマジメにお話ししたいと思います。



昔から私の外来には他院で治療を受けておられるが今ひとつ、調子が良くないためにセカンドオピニオンを聞きたいといらっしゃる患者さまがよく来院されます。



中にはすでに手術をされている方もいらっしゃり、手術後、症状があまりよくならなかったという方が大半です。



その場合、術後の画像を持参されてくるのですがほとんどの方がきれいな手術をされていて、手術のどこがダメであったか全く、分からないことがほとんどです。



しかし、ただ一点、以下の事に当てはまる患者様は要注意です。



”　手術で腰痛を治す　”　この理由で手術を受けられた方は要注意です。


我々、脊椎外科医で腰痛を手術で治そうなんて、普通は考えません。腰の手術は脚の痛み、シビレ、運動麻痺、歩行障害など坐骨神経にまつわる疾患を手術で緩和するのが主目的です。


例えば、よくあるのが椎間板ヘルニアは脚が痛くなる病気なのに、脚も痛くないのにヘルニアと診断されて、手術した。なんて方が結構いらっしゃいます。


医学的にあり得ない話です。腰痛の原因は様々です。なのに、たった1ヶ所のヘルニアを取り除いただけで腰痛が治るなんて普通に考えてあり得ない話です。


脊椎外科医は腰椎の手術をする際に神経の圧迫を除去することで脚の痛みを取ります。なぜなら腰椎の内部には脚に行く神経、つまり坐骨神経が通っているからです。


そういう坐骨神経痛の症状が出る方はもともと腰痛を持病として持っていたりするので逆に手術してもしばらくしたら腰痛はでるはずです。


なぜなら、手術しても腰は使い続けるからです。


腰痛は予防医学であって治療医学ではないはずです。脚の神経痛は治療する事ができますが腰痛は患者さま、ご自身が予防するものです。


私が患者さまによく言うのは　腰痛、肩こり、膝の痛み、虫歯は予防するものです。


歯医者さんに行って、虫歯にならないようにして下さいとは言わないと思います。虫歯は歯磨きしたり、口腔ケアをすればならないものです。


腰痛も全くそれと同じ事が言えます。適度な運動、体操、日頃のちょっとした姿勢など毎日のケアである程度は予防ができるかあるいは軽減する事ができるものです。


腰痛だけがお悩みで手術をしようとしている方がいらっしゃるなら、いったん立ち止まって別の病院でご相談してみて下さい。


腰痛は手術なんかで簡単に治るようなものでは、決してありません。３０年以上、腰痛の治療に携わってきた私が強く、強く皆さんに言いたいことです。