おにぎり君|一宮市で腰痛・椎間板ヘルニア手術|たなけん脊椎眼科クリニック

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おにぎり君

こんにちは たなけん院長です。


今日は10年以上前に診察させていただいた患者様をご紹介します。


年齢 47歳男性 生まれつき脳性麻痺で寝たきり 意思疎通は完全に不可能


付き添いのご家族は78歳のお母さん かなりの腰痛もち


患者様は分娩中の事故がきっかけで生まれつき、重度の脳性麻痺となってしまい、寝たきりで手足も動かせず、もちろん話すこともご飯を食べることも何も出来ない状態でした。

それがきっかけでお父さんは将来を悲観して家を出て行ってしまい、以来、お母さんが女手ひとりで面倒をみていたそうです。

昔のことなので今とは違い、国の生活サポートも充実していなかったと思うので、さぞ、お母さんのご苦労は想像を絶するものであったでしょう。


私の外来を受診したのは介護中に膝をぶつけて腫れて痛そうなので診てほしいというものでした。


なぜ、この患者様を「おにぎり君」 かというと身長176cm 体重85kg というかなりの巨体で見た目、顔がかなり大きく、本当におにぎりみたいな輪郭だったのです。
しかし、いくらなんでもそんなこと言えるわけないのですが


お母さんのほうから

「この子、見た目、ほんと、おにぎりみたいでしょ? あだ名はおにぎり君っていうの」
っておっしゃったのです。幸い、レントゲンでは骨折なく、ただの打撲として様子見ることになったのですが


ボクも見かねて
「これだけ体が大きいと面倒も大変ですね?」

「そうなんです。私ももう年なんで自分の体も良くないのでとても介護どころではなく、何年も前からこの子を施設に入れようとするんだけど施設に行くっていう前日に必ず、熱がでて、毎回、中止になってしまうんです。」


「もう、ホントその繰り返し、イヤになるわ💢」


「お母さんと離れたくないって言えないから一生懸命、熱を出すんですよ。」と私は言いました。


私は昔から認知症や脳性麻痺、知的障害などのハンディキャップがある人たちは病気の体がそうさせているだけで魂は我々とおなじで普通だと信じています。


だから魂は人の話を聞いているし、感じているし、心では泣いたり、笑ったり、怒ったりしている。


だけどそれを伝える事が出来ないし、はたからは何も感じてないように見えてしまうのでツライ魂の修行をしていると私は信じています。だからいつもハンディキャップのある人たちには心から敬意をはらっています。


だから、おにぎり君は施設の入所がキャンセルになって心の中でガッツポーズをしているはずです。

だって、帰り際、笑った様に見えたから