亡き父の時計|一宮市で腰痛・椎間板ヘルニア手術|たなけん脊椎眼科クリニック

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亡き父の時計

こんにちは、たなけん院長です。


今回は9年前に他界した父の時計の話をしたいと思います。


昨年の5月に瀬戸内海を旅行した時にたまたま、大崎下島というところの旅館を予約していたのでフェリーで行くことになり、フェリー乗り場である小長港に行ったときにたまたま早く着いたのでフェリーの出発時間まで時間があったので町並みを散策しました。


町並みの地図の看板があったので何気に見てみると時計店とあり、昔の記憶がフラッシュバックしました。


私の父は70歳をこえてから晩年、認知がひどくなってしまいました。といっても徘徊するとか家族に迷惑をかけるようなひどいモノではなく、物忘れがひどかったり、何度も同じ事を言うくらいのものでした。


そんなある日、父は若い頃から大事にしていたオメガの高級時計を見た瞬間に修理不能と分かるくらいにバラバラにして腕につけていました。



母がどうしたの?って聞いても覚えているはずもなく、色々、修理できないか調べたのですが断られまくったので泣く泣く、タンスの奥にしまっていました。



しばらくして、父も亡くなり、時計のことなど忘れていたのですが、偶然、テレビで瀬戸内海の小島に小さな時計店があり、修理不可能な時計が全国から集まり、直してしまうプロフェッショナルがいる事を見た私は母にそのことを教えたら、こっそり、母はその店主に手紙と時計を送り、直してほしいとお願いしたそうです。



何ヶ月かしてそれを見た店主はわざわざ、母に電話してくださり、時計と父の昔話を色々したそうです。



程なくして見違えるように直った時計が送られて来て私たち家族はびっくりしたのを今でも覚えています。



地図を見て直感的にその時計店かもしれないと思い、地図を頼りに時計店に向かうとホント、テレビに出てきた街の時計店でこれに違いないと思い、入って見ると店主の息子さんが今ではあとを継いでおり、当時店主であったお父様は現在、80歳をこえてお元気なのですが引退をされておられ、お店にはおみえになりませんでした。


息子さんに父と母の話をしたら、お父様は母との電話のやりとりを几帳面にノートに書いておられ、どんなお話しをしたのか、教えてくださいました。



本当に感動的な旅の一コマでした。



今、その時計はなぜか息子が持って行ってしまっていますが壊したりしないか心配しています。いつか返してもらおうと思います。