こんにちは、たなけん院長です。
前回、新しい腰下肢痛の治療法である脊髄刺激療法 私の勝手な命名で「脊髄ペースメーカー」のお話しをいたしました。
新しい治療法は積極的に導入していくのが、たなけんクリニックのモットーなので、導入を決めた日から適応のある患者さまはたくさんいらっしゃるので治療法を丁寧にご説明し、おすすめしていました。
1週間ほどしてある60歳台女性の患者さまが来院され、10年以上前に大きな病院で腰の固定術をおこなったけど、術後から腰の痛み、脚の痛みが残ってしまい、次第に悪化、3年前からはトイレの移動程度ができるくらいで、ほぼ車椅子の生活をしているという方が外来にお見えになりました。
その方は車椅子で娘さんとご一緒にお部屋に入ってこられ、10年以上、腰と脚の痛みでツライ生活をしておられ、様々な病院を受診したけど薬を処方され、あとはリハビリでマッサージするだけで、まったく治らないので次にはメンタルクリニックの病院に紹介されたり、最後には万策尽きてペインクリニックに行くように紹介されたり、長くツライ治療経験をされておられました。
これまでの私ならその経過を聞いただけで
「もう仕方ありません、今までの治療を辛抱強くお続けになってください。これ以上できる治療は残念ながらありません。申し訳ありません。」と説明していたと思います。
しかし、この脊髄刺激療法を知ったからには、気がついたら
「効果のほどはまだ分かりませんがやってみる価値はあると思います。あなたもわたしもこの治療法に賭けてみましょう。」
と言っていました。
手術といってもいつもやっている手術にくらべれば、とても簡単だったのでリスクはほとんどなく、難なく、無事にできるとは思っていましたがそれよりもまず、
「脊髄に電気流すだけでホントにそんな効くのかな? 患者さんの痛み楽になるのかなぁ?」
とそれだけが不安で心配でした。
手術は予想通り、トラブルなく、初回であったにもかかわらず、30分程度でスムーズに終わり、患者さんの意識がしっかり戻る1時間後に恐る恐る病室へ伺うと
向こうから車椅子で移動していた患者さんが杖をついて歩いてトイレに行こうとしているではないですか、ホントにびっくりしました。
痛くないの?とお聴きすると痛くないし、歩くことができると満面の笑みでおっしゃるではないですか。
そこにいた看護師、ご家族など全員、幸せな気持ちになりました。
ああいう感動があるからこそ、医者になって良かったと思えるし、これだから外科医は辞められないってヤツです。
その方はその後も調子が良く、いまではシルバーカーで歩いてリハビリまでできるほどになっています。
ホントに医療の進歩はめざましいモノがあります。
もちろん、すべての人に効果があるとは思っていません。
でもこれで救われる人が確実にいるということが大切なことであると考えています。
その後も2人ほど行いましたが今のところ、良好な成績を得ているのでこの治療法に手応えを感じています。
たなけん脊椎眼科クリニックは小さな診療所ですがこうやって、大学病院や大病院でも救われない患者さまを我々のできる最善の治療法で患者さまのお役に立つことができればいいといつも考えています。
当院は当院にしかできない事をしっかりやっていく。常に絶え間なく、前進あるのみです。