こんにちは、たなけん院長です。
今日は注射でヘルニアを治すという、ヘルニコアという治療法についてお話しします。
一部の医療機関で治療を受けることができるのですが腰椎椎間板ヘルニアを注射で治療するというモノです。
一般的にヘルニアは投薬、リハビリ、ブロック注射を行う保存的治療と手術治療の大きく分けて2つの治療がありましたがそこに注射で治すという第3の治療法が2018年に保険適応になり、瞬く間に広まりました。
最初は全国で脊椎の治療実績のある医療機関のみ行っていたのですが、今ではさらに多くの医療機関で取り扱いがなされています。
しかし、それとともにヘルニコアをして逆に症状が悪化したといって当院を受診される方が増えてきており、やや適応に疑問のあるような患者さまに安易にヘルニコアが投与されていることが多くなっているというのも事実です。
そこで2018年の導入当初からヘルニコアを行い、治療実績が豊富な私から注意事項をご説明させていただきたいと思います。
まず、ヘルニコアとはどういうモノなのかというと一言で言うなら
「飛び出た椎間板ヘルニアによって、圧迫された神経を救うために、ヘルニアになった椎間板を干からびさせて小さくし、神経の圧迫を取り除く」
です。干し柿を想像してもらえればいいと思います。
大きな柿も軒先につるしておけば小さく干からびますよね。この原理です。
ヘルニコアはコンドリアーゼといって椎間板の内部にクッションの役割を果たす髄核という組織があり、保水成分に富んでいます。これが弾力性につながり、脊椎を保護しています。
しかし、ヘルニアになると保水成分が悪くなり(つまり、老化)、弾力性が悪くなると、元に戻らなくなって変形し、はみ出た部分が神経を圧迫し、下肢痛シビレを引き起こします。
そこでヘルニコアを椎間板に注射で投与すると保水成分がなくなり、干からびて椎間板が小さくなると同時に神経の圧迫もなくなるという原理です。
ここで注意しないといけないのはヘルニコアが効くということは、干からびる事ができる椎間板かという点 です。
何でもヘルニアであれば注射したらよくなるというものではなく、適応が絶対なのです。
ということは逆を言えば、もともと干からびているような椎間板には効果がないということです。
ここで適応から外されるのがまず、当然、中高年、および高齢者です。しかし、この年齢帯の患者さまにヘルニコアが投与されていることのいかに多いことか!
逆に絶対適応なのは 若者 です。
若者のヘルニアは保水成分に富んでいます。つまり、干からびる要素が非常に高いのです。
だから、適応を厳選した若者のヘルニアには絶大な効果が期待できます。
ではどうやって適応を決めるのかといえばMRIです。
MRIでは椎間板の保水状態とヘルニアの程度が同時に瞬時に分かります。なのでこれをもとに適応を決めれば保存的治療では良くならない、でも手術はしたくないという若者にとって優れた治療になり得るのです。
ただし、いいことばかりではありません。
次回はヘルニコアのマイナス面をご説明します。